夢夢
子供の頃、夢を夢と自覚して見ていた
「これは嫌な夢だ」と思うと強く目を瞑る
すると、違う夢に移動出来た
誰かに追われていたり
幽霊に出会ったり
夢から夢へと逃げていた
今ではもう夢を移動する事が出来ない
夢だと自覚した時、目が覚めてしまうからだ
またあの感覚を楽しみたい
ある日、こんな夢を見た
先の見えない程、遠くまで広がる野原
底に1本、道が伸びていた
畦道のような舗装されていない道
僕はその道を走る軽トラックの荷台に腰をかけ
後ろを眺めていた
手にはお菓子を持って
結婚式のフラワーシャワーの様に撒いていた
道の両脇には人だかり
まるでパレードのようにはしゃいでいた
誰かが隣にいたが
誰なのか分からないし顔も思い出せない
夢には意味があると言うが
あれはなんだったのだろう
楽しかったという感情は覚えている
目を瞑れば、また見れるだろうか
今夜はどこに行けるだろう