知ってる天井

病に敗れ羽毛に沈む私は、

見慣れた天井を見上げていた

 

なにもせずに過ぎ行く時間を

久々に噛み締めながら、

無力を憂う

 

秀でた力も特殊な経験も無く

平々凡々な自分が、

他者の努力を横目に生きるだけ

 

ならば動けと、私の良心が言う

 

だがお前も知ってるだろう

何度努力をしても、

周りは自分を追い越し、

振り向きもせずに離れてゆく。

私は所詮、顔も描かれないような

背景の人間だから。

そんな言い訳をしていたら、

ほんの少し羽毛が重くなった。

 

見慣れた天井はまだ私を見下していた。