一夜明け帰路に想う

酸欠衝動は、

さユりを知ったその時から今までを

思い返すような、そんな体験だった。

 

バンド編成のライブを経て、

原点の弾き語りへ。

 

彼女が奏でる音のひとつひとつが、

彼女が放つ言葉のひとつひとつが、

僕の心の言語化出来ない影を穿ち、

そっと包んでくれている様であった。

 

酸欠衝動は終わり、日常へ帰す。

 

さユりと、みんなと、過ごした思い出は

絵の具の様に水に溶けて薄まっていく。

 

けれど、確かに染まったその水は、

僕が死ぬその時まで、

僕と共に生きていく。

 

次は何色に染まるかな。